2018年・新年のご挨拶 (宮田運営委員長)

~ 貴重なる”鎌倉古道&歴史遺産群の保全”新活動元年に ~

 東京都町田市の里山風景の中に奇跡的に遺る一連の“中世古街道『鎌倉街道』跡”に出会ってから今年2018年で36年目を迎えました。その痕跡が意味する歴史的な価値を胸に秘めつつ、なるべく目立たないように、しかし参加者には出来る限り理解して頂けるように、一生懸命「探索ウォーク」や「講演会、研究発表」などで紹介した回数は、もはや数えきれないほどとなりました。


 その古街道跡に出会った頃の感動をそのままに、多くの町田市民や近隣市民、都民、全国の皆様にこの素晴らしき「歴史環境と古街道遺跡遺産の存在」を認知して頂くことに、今年は微力ながら、さらに全霊で立ち向かい前進させていくことを決意しました。

それは、理解してくれる仲間や賛同者、研究者仲間が周りにたくさんいて下さるからであり、また、目まぐるしく情報が交錯し、日々何かが刷新されていく現代においても、その緩やかで不変の歴史遺産の存在価値や、保全と活用の意義をわかって下さる方々が、地元町田市内のみならず近隣市町村にも、また都内外にもどんどん増えていっている事実が大きな励みとなっているからでもあります。


 町田市の小野路町や野津田町、山崎町には、武蔵野の国分寺市、府中市、多摩市から繋がる、かつて『鎌倉時代の武士たちが駆け抜けていった本物の“鎌倉古道跡”』と、『関連する関所跡を含む一連の貴重な歴史環境』が、広大な面積の山林や原野の中に包まれたように遺されています。その歴史遺産価値は、正しく公平な理解者たちによって研究され、また紹介されていくことに よって、やがて近い日に大きくクローズアップされ、注目されていくことになるでしょう。


 今、大切なことは、これらを、どこにでもあるような新興住宅地として、あるいはその他のスプロール乱開発行為によって永久に失うことがないように、可能なビジョンと手法を しっかりと持って、保全と活用の計画を立て実行することです。
すでに時間はありません。いま、外国の投資家などによって、日本各地の都市間の山林が虫食い状態で買われ、やがては日本の業者に売られて無秩序な宅地造成が進行し大きな問題になっています。町田市域は都内で最も大きくその危険にさらされている場所であり、歴史文化遺産の緊急保護が必要な地域なのです。もしそれが出来なかったら、町田市のみならず、日本にとってどれだけ大きな損失となるか――考えてみただけで胸が痛みます。
どうぞ、全国の皆さん、そして東京都内、町田市、近隣市の皆さん、この多摩丘陵に遺る奇跡的な保存状態のまま眠っている、類まれな歴史遺産群の事に関心を持って下さい。


 2018年4月5日(木)の午後(14時開場)14時半~、町田市民フォーラムホール(188名)にて、この素晴らしき中世・鎌倉時代の歴史遺産群(「鎌倉古道と中世関所遺跡群」)の実態をご紹介する講演・研発表会(講演:宮田太郎)開催が決定しました。皆様、どうぞ当会の活動へのご理解・ご賛同・ご参加と合わせてお出かけください。
申し込み方法ほかの詳細は追って当ホームページにてご案内させて頂きます。


 2018年春を、東国の大いなる歴史ステージであった関東地方の中でも、この「多摩&町田」が深い歴史ある遺産を持っていたことの感動を、多くの方々と共有できる“活動元年”とすることができますことを心より願っております。――その時こそ先人たちもまた、現代を生きる私たちの日々を応援してくれるものと確信しております。 

2018年1月5日 「鎌倉古道・歴史遺産の会」運営委員長 宮田太郎